第3523回例会:卓話者 防衛省自衛隊神奈川地方協力本部長 一等海佐 大谷三穂 様 演題:「部隊指揮官の経験から得たもの」

本日の卓話は、防衛省自衛隊神奈川地方協力本部長 一等海佐 大谷三穂様により、「部隊指揮官の経験から得たもの」という演題で、お話しいただきました。

大谷様は、大阪府吹田市のご出身で、大学2回生のとき湾岸戦争をテレビで見ていて、「自分はこんな生活をしていていいのか」「自分に出来ることはないのか、自分を変えたい」という想いから、女性に門戸を開放し始めた防衛大学に入り直し、平成8年に海上自衛隊に入隊されたそうです。

以来、船乗り人生がスタート。護衛艦あさぎり副長、練習艦しまゆき艦長、護衛艦やまぎり艦長、護衛艦みょうこうイージス艦艦長と全て女性初で就任。

イージス艦艦長に就任した際は、ちょうどコロナと重なり、北朝鮮からのミサイル有事の対応に備える必要があるため、コロナを一切出さないことを心掛け、毎日緊張の連続で任務を遂行されたそうです。

その後、練習艦かしまの艦長として、幹部候補生学校を卒業した初級幹部を乗せ江田島を出航、半年間の遠洋航海練習を実施。非常に波の高いアリューシャン海域を経由し、アメリカ大陸を南下、マゼラン海峡(日本海軍として当該ルートは初航行)、パナマ運河を巡り日本に帰港。厳しい航海を通じ幹部自衛官として必要な資質の育成、慣海性や国際感覚の涵養等を育むそうです。 本日は、普段我々が体験できない非常に貴重なお話が聞くことができ、また、日々、日本の防衛に尽くされている自衛隊に改めて感謝の念を抱きました。