あっという間の一年でした。 川崎ロータリークラブには「ノーと言わない」歴史と伝統がありまして、プログラム委員長の指名をいただき受けさせていただきました。第一回の被選理事会の中で、岩瀬会長エレクトより新年度の例会のプログラムのテーマとして、ぜひ川崎の歴史を入れてもらいたいとの提案がありました。
簡単に引き受けたものの、どう進めていいものか悩んでいました。そこで、稲毛神社の市川宮司、地域史研究家・竹内清さんに相談、輪郭ができあがりました。当初10回程度で古代から近・現代までを鳥撤する予定でしたが、実際始めて見ると、川崎は歴史の宝庫一何と語り部の多いことかと驚かされました。次から次へと語り部(卓話者)の方を紹介いただきました。文化の連鎖といったらいいのでしょうか。例えば、伊藤佳子さん。たまたま遍照寺坂本住職から、割烹「恵の本」で最近会合があり、お女将さんが桃に大変詳しい、とのこと。桃つながりで、大師で桃がとれた頃の話をお願いしました。のりの話をしていただいた斉藤金作さんから、この頃、結婚式など祝儀の席で「大師節」が聞かれなくなって寂しいという指摘がありました。市川宮司に相談すると、多摩区生田に角田益信さんという伝承者がいらっしゃるとのこと。早速角田さんに「大師節」の一節を唱っていただきました。
今回一番残念だったのは、10月25日卓話者としてお招きした古江亮仁先生が、2ケ月後に急逝されたことです。先生の卓話は大変ウイットに富んだもので、まさか、お話の冒頭これが最後の講演になるかも知れないといっていたことが本当になるなんて信じられない思いでした。先生の講演テープをおこしたところ辻が花小袖を評価してくれた人、全くしてくれなかった人が実名入りで記載されていました。電話で相談しますと、これはまづいということでイニシャルになった次第です。心からご冥福をお祈りします。
卓話が始まって折り返し地点で、ブックレットとして川崎の歴史シリーズを刊行したらという声があがり、岩瀬会長に相談しましたところ、それはいいことだ。せっかく出版するなら、市内の小中学校、図書館にも寄贈してもらいたいということで、500冊を刊行することにしました。
ぜひ川崎ロータリークラブ卓話集がロータリークラブの会員はもちろん、小中学校の皆さんや図書館に来られた皆さんの川崎の歴史副読本としてご利用いただけることを夢見ながら刊行にあたっての挨拶とします。
|